こんにちは。呼吸器内科専門医×訪問診療医をやっている女医ぬです。
プロフィールはこちら(→https://joynu55.com/profile/)
大学病院で呼吸器内科をやっていましたが、現在は大学病院を辞めて訪問診療をメインに診療しています。
自分の経験と勉強したことをお伝えします。
初心者
訪問診療の詳しいやり方って何を見ればいいかわからない。
実際経験した先生から話を聞くこともなかなかできない。
訪問診療の初診時、
どんなことを気をつければいいかな?
そんな悩みを解決!初回診療での心得をお伝えします。
訪問診療の初回訪問時の心得
初回訪問で最も大切なことは、
「次も来ていいよ」と言ってもらえることです。
もちろん、来て欲しいと望んでいる方もいます。
しかし、もともと病院や医師が苦手・嫌いな方、
本人は訪問診療も拒否的だけど、
病院、ケアマネジャー、家族からの勧めやお願いから導入された方。
導入理由、患者さんの人柄は様々です。
事前準備
導入面談
緊急時など特別な理由がある場合以外は、
訪問診療の導入前に、面談があります。
相談員が患者さんとその家族と面談をします。
この時に、背景や療養環境の情報収集を行います。
患者さん家族との情報共有もとても大切です。
これまでの経過の話を本人や家族から聞きますが、
前医やかかりつけ医がいれば、紹介状の準備をお願いします。
紹介状の確認
前医やかかりつけ医からの情報はとても大切です。
可能であれば以前の血液検査のデータや画像も確認したいところです。
初診前に患者さんの状況を先に把握しておくと、初診の診療がスムーズで、
患者さんからの信頼にもつながります。
導入の日時設定
病院から退院する際に訪問診療を導入する患者さんは多いです。
ある統計では退院翌日が1番緊急コールが多いというデータがあります。
可能であれば、退院当日、もしくは翌日に初回の診察に行くほうが良いです。
患者さん本人も家族も今の状況に不慣れで、まだ心配も多いので、
早めに信頼関係を築くこと、
緊急連絡先をお渡ししておくことで、
退院直後の再入院を減らすことができるかと考えます。
初回訪問時
服装
白衣を着るかどうかは医師によって違います。
決まりはなく比較的自由ということです。
ラフすぎる格好は避けましょう。
以前、訪問診療時の服装についての記事を書いています。
自宅に入る時の礼儀
訪問診療は、患者さんのご自宅に入ること、
パーソナルスペースに入ることになります。
常識的な礼儀を持って望むことが必須です。
本当に基本的なことです。
- ドアをノックする
- 玄関で靴をそろえる
- 不必要に室内を見渡さない など
しかし、飾っている写真や表彰状、絵などは
話題に触れると信頼関係構築の役にたつので、
室内を軽く観察することは必要です。
あいさつ
あいさつは大切です。必ずあいさつをしましょう。
そして、必ず自分から名乗ります。
覚えてもらうために、名刺があれば渡しましょう。
家族の関係性を見極める
キーパーソンを設定することは、病院と同じです。
身寄りのない方以外は、必ず家族と関わりを持ちます。
病院よりも、より密であり、家族からの情報がダイレクトに伝わります。
家族がある程度身の回りのことを手助けをする必要が出て来ます。
しかし、今まで患者さん本人が家庭内でリーダーシップをとっていた場合は、
キーパーソンとして上手く機能できない場合はあります。
患者さんと家族の関係性を見極めることが、
その後のスムーズな在宅療養につながります。
診察
訪問診療では、病院ほど情報は多くはないですが、
身体所見は多くの価値ある情報を見つけることがあります。
最初の状況を把握しておくことで、
その後の変化を見逃しにくくなります。
また、所見をしっかりとることで患者さんからの
安心感と信頼度が増しやすいかと思います。
お茶やお菓子を勧められた時
初回では、用意してくれたものを無理に断るのも角が立ちます。
出された段階で、「次回からはお気遣いは不要です。」と
しっかり伝えておくと良いかもしれません。
毎回お茶を飲んでいると、診察スケジュールにも影響が出て、
後々負担になってしまうこともあります。
関わるスタッフとの連絡
訪問診療では、他職種連携が必要です。
初回訪問時、時間を合わせられれば
ケアマネジャーや訪問看護師なども一緒に訪問することもあります。
それが叶わなければ、状況を電話やFAX等で伝え、
情報共有することが大切です。
まとめ
今回は、訪問診療の初回訪問時に気をつけることをお伝えしました。
以上、自分の経験と勉強からお伝えしました。
私は、この本を読んで勉強しました。↓↓↓
訪問診療を始めたばかりの方や、これから訪問診療を始めようと
考えているあなたに少しでもお役に立てると嬉しいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
またお立ち寄りくださいね❤️
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